採択団体訪問: 西脇てとて広場
今日は、NPO法人西脇てとて広場さんの事務局 東野由美子さんにお話を伺ってきました。
「西脇てとて広場」は、「すべての子どもたちのしあわせを願って」という趣旨のもと、子どもが心穏やかに過ごせる居場所を提供し、本来の自分の力を生かせるようサポートし、子育て中の保護者、ご家族もケアし、応援する団体です。
2025年度より新設された当財団の「ひょうご・みんなで支え合い金」の組織応援コースの採択団体であり、同じく2025年度より共感寄付にも参加頂いております。
ーーまず最初に、東野さんがこのような活動を始められた経緯を教えてください。
私が高校生の時に父がいなくなりました。本当は学校の先生になりたかったんですけど、大学に行けなかったんです。
高校を卒業して就職して、貧乏な生活から早く抜け出したいとの思いもあって、21歳で結婚して、22で出産したんですけど、家が山の奥の方だったので、孤独で子育てもどうしていいか分からへんみたいなことだったんです。
すぐ近くに保健センターがあって、そこに赤ちゃんを連れて行くようになって、すごく親切な保健師さんがいつも対応してくださったんですね。でもやっぱり孤独すぎてすぐ就職したんです。
赤ちゃんを保育所に預けて就職したんですけど、子どもが育つのを見ていたら、やはり自分で育てたいなという思いがあり、2人目の子どもを出産するときに仕事を辞めました。その時にもともと私は学校の先生になりたかったので、もう一回教育の勉強をしたいと思って、通信教育で大学に行きました。その間に3人目の子どもの出産もありちょっと休学したりもあり多少時間はかかりましたが、無事、卒業して教員免許も取ったんです。
大学生の間は家にいたので、たくさんの子育てサークル活動に参加して、色々な経験を地域でさせていただき、お友達もできました。地域の人たちとか、私の住んでる家の近くに主人の実家があり主人の兄弟とか親戚とかいっぱいいて、若くして母親になった私をみんなが支えてくれて、だから自分はこうやって大学も行けたし今の自分ってその人たちのおかげだなというのをひしひしと感じていて、感謝しています。
そういう未熟な私を支えてくれる地域っていうのがすごい大切やなっていうのを感じたことと、自分はもともと子育て支援の仕事がしたかったから、それがやりたいと思っていた時に、理事長のご夫妻の奥さんとの出会いがあって、一軒家を借りて一緒にやろうということになって、始まったのがてとて広場です。
ーー2020年からスタートされて、4~5年経った今の立ち位置や今後の活動の展望などをお聞かせください。
そうですね。いま本当に考えないといけないと思っています。お金のこともあるし、やっぱり考え方というか根本的なところは一緒だけど、みんなそれぞれスタッフも、理事の方々もちょっとずつ考え方が違っているところもあるし、どういうふうに今からしていったらいいのかなと思います。
ーー今、どのくらいの人で運営しているのですか?
理事は7名、手伝ってくれているスタッフは8人ほどです。スタッフは事業ごと曜日ごとに別にいるので、それぞれが自分の来る日のことしかわからなくて、その理解で対応すると、他の日の対応とずれてくることがあったり、全ての日のことを知っているのが私だけなんで、スタッフの思いを伝えるのも私を通してになってしまいます。
例えば理事長は、学校の先生だし、水曜日の学びの日のスタッフも元学校の先生の人たちなので、学校の先生としての経験をベースにした考え方ですよね。
居場所スタッフの人は中学生小学生の子どもさんがいるお母さんたちなんで、お母さん目線なんですね。
私は市役所の福祉のところにいたから、家庭的に厳しい子どもさんのこととか色々な事情のある家庭の、とにかくどんな子どもさんでも支援がしたいっていう思いがすごくあります。
それが、他の人にはなかなか通じなくて、それは行政の範疇でそこまでやらなくてもいいだろうとか。確かにその通りかもしれませんが、どうしても行政の枠組みからもこぼれ落ちてくる人、支援に乗っかることができない人もいますから、私ととしては割り切れない面があります。
ーー他に何か印象的なことはありましたか?
昨年、子どもとゲームの講演会をしたとき、スタッフの人もみんなスタッフ研修も兼ねていたので来てくれたんですが、このゲームというだけでいろんな意見がでました。
この講演会は何の意味があるのか? ゲームはさせたくない、そんなネット依存では困るとか、スタッフの皆さんは親目線ですから。入口から違うことになってしまって。
ネットの場所も居場所なんだよっていうところは、あまり通じてないなーという感じでした。
ーーなるほど。そうしたことが、複線となって、今回の組織応援コースへの応募に繋がった訳ですね。
そうなんです。今回の申請では、居場所のガイドラインを作成し、後半は、それに使って、それぞれのケースにおいて、「こういう場合はどうするか?」をワークショップで学び合う事を考えています。
今、ガイドライン作成の3回ミーティングの内2回目まで終了しており、外部の弁護士や他団体にも指導役で入って貰い、非常にいい議論となっていて、かなりいいものが出来そうな感じになってきています。
防災の観点はどうするか?と指摘され、私自身、行政や警察等にも足を運び、修正意見をもらうべく、飛び回っています。作成を通じて、スタッフ間の意思疎通にも繋がっていると思っています。
ーーところで、この6月より当財団の「共感寄付」にも参加頂きました。まだ、1カ月半(取材当時)ですが、既に目標額の30%に到達していますね。何か工夫されているのでしょうか?
自分自身に、一日一件の寄付の依頼を行う事をノルマとして課し、兎も角、近所の会社を回っています。実際の寄付に繋がっているかはわかりませんが、皆さん、「そんなよい活動をされているんですね」と好感をもって対応してくれています。
回っていて、お金の面でも地域に支えられ、また、そこで出会った人がその人の専門分野で活動を支えてくれてと、正に理想的な姿に繋がるなあと感じています。
ーーありがとうございました。
同じ目的で同じ方向を向いているスタッフ同士であっても、個々の考えがありやりたいことも違います。それをまとめる側の苦労のお話も伺えて大変貴重な経験をさせていただきました。
また、資金の面でも、人的な支援の面でも、地域に支えられる団体、これの実現に向けて、ますますのご活躍を期待しております。
NPO法人西脇てとて広場
