しあわせな未来は、わたしが選ぶ。 共感寄付

笑顔のおみやげ〈一七市拡大版〉

Tetsujin11月18日、JR新長田駅前の鉄人広場で開催された「一七市拡大版」に参加された拓人こうべさんを訪問してきました。

「一七市」とは阪神淡路大震災をきっかけに始まった、障がい者の作業所による共同バザー。

今では企業や学校などさまざまな団体が連携し、「一七市拡大版」として毎年11月の恒例行事となり、今年で18回目を迎えます。長田を中心に神戸の作業所が集まり、おでんや焼きそばなどの屋台を出したり、パンやクッキー、アクセサリーといった自主製品を販売されたりしています。

拓人こうべさんのブースでは、「まとあて」を用意していました。ゴムボール、布製ボールなど、いくつかの種類の中から好きなボールを一つ選び、ボウリングのピンのように並んだ「まと」にあてるゲームです。50円で3回までチャレンジでき、倒れた「まと」の数に応じて、お菓子をプレゼント。簡単そうに見えて、「まと」を全部倒すのはなかなか難しく、子どもたちは真剣になります。


ブース出展を担当されていたのは、スタッフの小林由佳さん、稲本須磨子さん、そして河田真由三さん。河田さんは普段は保育園で働いておられますが、週末には「よりみちクラブ」の活動を支えてくれています。2年半ほど前、あるきっかけで「何かボランティアをしてみたい」と思ったときに出会ったのが「よりみちクラブ」だったとか。お仕事柄、子どもの相手はお手のもの!?と思ってお話をうかがったところ「(障がいを持った子どもたちの中には)伝えたいことがあってもうまく言葉にならず、時にパニック状態になってしまう子もいます。こちらも(子どもたちが伝えようとしていることを)すぐには理解してあげられなくて。本当に、一人ひとり、違うので」とのこと。子どもたちの個性や成長を大切に、誠実に関わっておられる河田さんの姿が浮かびます。


この日のイベントには、地元の小学生や中学生がボランティアスタッフとしてたくさん参加していたことも印象的でした。お客さんの呼び込みや売り子係として、会場のいたるところで大活躍。「まとあて」ゲーム用のかわいい「まと」を、ペットボトルに飾りを付けて事前に作ってくれていたのも、実は小学生のボランティアたち。地域の中でボランティア活動を体験させようと、学校あげて積極的に取り組んでおられるそうですが、元気いっぱいに動き回る彼らを見ていると、子ども=未来の象徴だとつくづく感じます。

大人と子どもが触れあう、障がいを持つ人とそうでない人が触れあう。そんな経験が「楽しい思い出」となって、子どもたちを育み、未来につながっていく。11月のキリリと冷えた空の下、みんなの笑顔をおみやげに、あたたかい気持ちになって会場を後にしました。

(事務局 入江)

 

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