インタビュー

しんぐるまざあず・ふぉーらむ・宝塚 インタビュー

コロナ禍での、ひとり親家庭支援

~困っているときに力を貸してくださる方がいることが、とてもありがたく大きかった~

 

団体の世話人 たださんに、お話をうかがいました。

しんぐるまざあず・ふぉーらむ・宝塚は、どのように設立されましたか

 しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西の会員だった私と、同じ宝塚市に居住している同会の方たちで、ひとり親家庭の小さなコミュニティを身近な場所で作ろうと相談したことが設立のきっかけでした。
 2年前に団体をつくり、現在は9つのひとり親家庭が参加しています。

 私は初めての妊娠中に離婚調停をすることになりました。本当に不安で心細いなか、ネットで相談が出来るところを調べたところ「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」の活動を知って、「おしゃべり会」などの企画に参加させていただきました。

 自分自身の体験でも、直接の解決にはつながらなかったとしても、話が出来ることや話を聞いてもらうこと、同じ境遇の方でないと分かってもらえないことや話すことのできないことなど、助けられる場面がたくさんありました。

 私たちのようなひとり親家庭は、休みの日に子どもとだけ過ごしがちになってしまいます。
 しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西で出会った近くに住む方たちと、休みの日に公園にみんなで集まって子どもどうしが遊び、その間に母どうしでいろいろな話をすることがリフレッシュになるという体験がありました。

 その後は毎月そのメンバーで会ったり、ひらかたパークに遊びに行ったりするようになりました。それが発展して、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・宝塚になりました。

活動の特徴はどんなものになりますか

 しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西では、当事者が集まっていろいろなことを話す「おしゃべり会」「セミナー」「親子イベント」などに参加していました。
 しんぐるまざあず・ふぉーらむ・宝塚は独立した活動を行っていますが、その活動を参考にシングルマザーやその子ども達が一緒に生き生きと暮らせるよう、親子イベントの開催、情報の提供、相談活動等を行っています。

 特定の地域で活動していることにはプラス面とマイナス面があって、広報や告知についての十分な配慮が必要になっています。
 もともとは、もう少し外に広げる活動をするつもりだったのですが、いまの段階では「〇月〇日に、〇〇で活動します」ということをメンバー以外への告知はしていません。

 いろいろな理由で離婚された方がおられ、もしそこに別れた旦那さんが来たら怖いとか、そこで待ち伏せされたら怖いというメンバーさんもいらっしゃいます。
 2年間活動をしてみて、私たちの安全のためにも、活動に広がりを持たせるためにも、もしかすると「宝塚」という団体名称は変えたほうが良いのかなと思い、グループで相談をしているところです。

 

コロナの影響はいかがでしたか

 母子家庭の私たちにとって最も困ったことは、仕事上の問題と食費が増えたことです。お金のことばかり言うのは嫌なんですが、やはり経済的な問題はとても大きいものでした。
 緊急事態宣言中にお仕事のできる日数が減ってしまった方もいますし、普段だったら延長保育があって夜7時にお迎えに行くことができていたのですが、それがなくなってしまい仕事のできる時間が減ってしまったということもありました。

 仕事に影響がなくても、お昼ご飯の準備が増えたことで食費の負担が大変になりました。「お米がすぐなくなって困っている」とお話しする方も少なくありませんでした。

 私たちの団体のお母さんたちは、幼稚園の年長から小学校6年までの子どもを育てているんですが、朝ご飯を食べてすぐに「お母さん、今日のお昼ご飯は何?」と聞かれることもよくあり、「それが精神的にしんどい」という声は聴いていました。

 また、ひとり親の場合は親が自分しかいませんから、一人だけで子どもを守らなくてはいけないという精神的なしんどさも大きかったですね。

 

「支え合い基金」の助成では、どのような活動をしていますか

 私たちの団体にとって、「ひょうご・みんなで支え合い基金」の助成が初めての助成金でした。2020年9月頃には、コロナに十分気をつければ集まることは可能になっていたので、それで普段通りの活動が出来はじめています。

 具体的には保護者向けセミナーや交流会を行いました。コロナのことが気になるメンバーもいましたので、そこは無理強いせずに、参加人数にはばらつきがあっても毎回4家庭以上は集まって活動しました。
 先日行ったクリスマスとワークショップの企画では、久しぶりに8家庭が集まることができました。

 メンバーの中にセミナーの講師を経験した者がいることもあって、外部講師は呼ばずに企画テーマ決めや講師はメンバーみんなで意見交換をしながら持ち回りで行っています。「子どもたちへのプラスの言葉かけ」のような企画と交流会をこれまでに4回行い、2021年2月までに合計6回の企画を予定しています。

最後にメッセージをお願いします

 緊急事態宣言の頃はコロナのことで人と会うことが制限されていましたし、いまもまた制限されてきています。
 ひとり親家庭はもともと家庭にいる人数が少なく、大人は一人しかいないために、子どものことを相談できる人がいないことが、孤立化と言ったら少しオーバーなのかもしれませんけれど、コロナによって受けた打撃の中で大きいのかなと思います。

 だからこそ、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・宝塚としてのライングループを作ったり、コロナ対策に気をつけながら実際に会って話をすることでの「つながり」をとても大切にしています。

 もともと参加者の自費のみで活動していた当団体へ、今回ひょうごコミュニティ財団様に助成していただき、例えば交流会や親子クッキング時のアルコール消毒など団体にとって必要なものを揃えることもでき、参加者の負担も軽減されました。
 これは参加者が全員ひとり親の当団体にとっては大きいことです。活動していく上での『基盤』を作らせていただけたこと・・・、とても感謝しております。

 他にも、緊急事態宣言が出て1週間後くらいに「おてらおやつクラブ」さんが、お米やお味噌など、お昼ご飯になるものを送ってくださったんです。
 困っているときに力を貸してくださる方がいるということが、とてもありがたく大きかったと思います。

 私たちの団体はとても小さいですけれど、私たちがして頂いたことを、これから少しでも返せるような活動をしていきたいなと思っています。

団体HP  →  Twitter @pokkapoka2018