しあわせな未来は、わたしが選ぶ。 共感寄付

参加団体インタビューVol.5第五期「NGO神戸外国人救援ネット」様

し あ わ せ な 未 来 は 、わ た し が 選 ぶ 。
― 共 感 寄 付 ―

外国人が安心して暮らせる社会の実現に向けて
文化を越えて未来の希望へつなぐ

第五期 共感寄付が始動して1年半。「もっと多くの方に、各プロジェクトのことを知って欲しい!」との思いから、ひょうごコミュニティ財団のインターンによる取材プロジェクトが始まりました。最終回は「NGO神戸外国人救援ネット」さん。三ノ宮駅から歩いて10分、日曜日のミサで多くの人が集う明るい雰囲気の「カトリック神戸中央教会」敷地内にある事務所へお邪魔し、事務局の村西さん、相談員の草加さんにお話を伺いました。

村西 優季さん(NGO外国人救援ネット 事務局担当・社会福祉士)
関西学院大学人間福祉学部社会福祉学科卒。在学中から外国人支援活動に携り、大学卒業後2012年よりNGO神戸外国人救援ネット事務局。外国人が抱える様々な相談を受け付け、専門家とのコーディネート全般のほか、各種講座の企画調整などを担当する。

草加 道常さん(NGO神戸外国人救援ネット 運営委員・相談員)
RINK(すべての外国人労働者とその家族の人権をまもる関西ネットワーク)事務局員として、関西・大阪において外国人からの相談対応および支援を行う。2008年よりNGO神戸外国人救援ネット運営委員・相談員。

 

「多文化共生」と「ネットワーク」で乗り越える。
―NGO神戸外国人救援ネットの活動はどのように始まったのですか?
阪神・淡路大震災が発生する前から、神戸には在住外国人への支援を行うNGOが複数団体ありました。被災地となった神戸で、被災者へ多言語で情報を届けよう、支援をしようと、それらの団体が集まってネットワークを組んだのが「NGO神戸外国人救援ネット」のはじまりです。避難所や救援物資の情報、被災者が受け取れる弔慰金の手続き、医療費の補助に関する情報などを様々な言語で被災者へ届ける活動を行っていました。行政機関との交渉や多言語電話相談会を実施したりしました。
震災から25年が経とうとする現在では、阪神・淡路大震災に関する相談は寄せられなくなりました。被災者の暮らしがある程度落ち着いた今、新たに日本へやってくる外国人の方、最近では国際結婚の家族や難民、外国人技能実習生の方なども対象に、あらゆる相談を受け付けています。

―お二人が活動へ参加されるようになったきっかけを聞かせてください。
草加さん
阪神・淡路大震災前から、神戸では、日系のブラジル人やペルー人が増えてきました。ベトナム難民も多くいました。在日韓国・朝鮮人や在日中国人などオールドカマーも多くいました。その当時は大阪で活動していたため、震災が起こった時は「留学生助け合いの会」へ参加し、大阪から物資を運んで神戸の避難所を回り、被災した外国人留学生へ提供する活動を行っていました。そのような活動をしているうちにNGO神戸外国人救援ネットともかかわる様になり、現在では運営委員として組織の運営に携わったり、相談者への支援を行ったりしています。
村西さん
自分自身が「外国人」として海外で暮らしてみて、その大変さを実感したという経験がこの仕事を始めたひとつのきっかけになっています。親の転勤のため海外で暮らすことになったのですが、当初は英語が全く話せず、学校で配られる「お知らせ」ひとつにしても理解が難しく、また文化の違いにもとても苦労しました。例えば日本の小学校では「トイレットペーパーの芯を持ってきてください」という指示があるじゃないですか。「ああ、工作で使うんだな」と知っていれば準備ができるけれど、そういった習慣のない国から来た人には何のために必要なのか全く理解できません。これと同じようなことを私も体験してきたので、いつか日本で暮らす外国人の方を支えられる立場になりたいと思うようになりました。こういった支援を行うのは「福祉」の分野だと知ったので大学では社会福祉を学ぶ学科に入りました。ここ最近は「多文化ソーシャルワーク」が注目されるようになってきましたが、当時は福祉の分野で「外国人」はなかなか注目されておらず、授業でも触れる機会があまりありませんでした。のちに社会課題へのアプローチを学ぶ社会起業学科の学生たちが行っていたプロジェクトに混ぜてもらい外国人支援活動に携わることができました。

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問題が解決するまで寄り添い続ける

―電話相談ではどんな内容が寄せられますか?
毎週金曜日が相談日になります。寄せられる電話相談では、難民申請案件も含めた在留資格に関するケースが圧倒的に多いです。それに加えて、就学支援や学習支援、学校内での外国人であることからのいじめなど相談者のお子さんのケースも気になります。相談者は、国籍別にすると常に首位であるフィリピン人からの相談がほぼ横ばいなのに対して、新たな国からの難民申請に関する相談が増加しました。例えばシリア、ガーナ、カメルーンなど多国籍化している現状です。
自団体のみでは解決できない支援に高い専門性を有するもの、内容が複雑なケースが私たちの団体に回ってきます。ですので多くのケースは、「同行支援」を行って問題が解決するまで相談者とともに動くことになります。

―同行支援では、どんなことを行うのですか?
私たちは、問題解決まで寄り添う、そしてサポートするという一貫したフォローアップを徹底しています。
特に解決までに時間がかかるのはDV相談になります。被害者の保護、弁護士への相談、家庭裁判所へ離婚の申し立て、母子家庭としての自立の支援、転居先探しなどを行っていきます。さらに離婚訴訟まで進んだ場合には打ち合わせ等も含め20回ほど続く長丁場になっていきます。離婚調停や訴訟などは団体の協力弁護士の方にお願いすることが多いです。救援ネットから通訳者が同行することもあります。すまいサポートになると、「外国人・生活保護・母子家庭・保証人なし」という厳しい条件で物件を探すことになります。内見までできる物件はごくわずかとなってしまい、内見は出来ても、いざ契約となった際にお断りの返事がくることもあり、物件探しは難航。特に「外国人だから」という入居差別とどう向き合うかに直面しています。

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④ 困っている外国人に生活相談ホットラインを紹介するならこちら

 

関心が高まっている今だからこそ

―活動の今後の展望を教えてください。
例えばフィリピンでは国内に仕事が少なく、親族数人がアメリカ、ヨーロッパ、中東、日本など海外へ出て働き、それぞれがフィリピンに居る家族に送金するという状況が当たり前にあります。日本で働く外国人は、少しでも海外に働きに出るチャンスがあればつかみたいと強い覚悟を持って日本に来ています。母国では、自分の子どもを、自分の父親・母親または兄弟に預けて出てきているので、日本で働くことを簡単に諦めて帰国することができません。
また、日本人男性と結婚し、日本国籍を持つ子供がいる外国人女性は、帰国するより、日本で生活を続けて子供に教育を受けさせたいので、言葉の壁や問題に直面しても、何とか解決して日本で生活し働き続けたいという希望を持っています。
そんな過酷な状況のなかで様々な課題を抱え、一人では解決できず、最後にたどりつくのが私たち外国人救援ネットです。母語で相談することもできますし、専門家を交えて問題解決まで対応しています。

―共感寄付で募ったお金の使い方は。
多言語ホットラインに対応している通訳者への謝金、電話代などが主な使いみちとなっています。また、同行支援に発展した場合、同行者の移動費と謝金にも充てています。
他にも出張相談会、支援者向けのセミナー、アドボカシー(政策提言)活動などの活動費に充てています。
昨年の入管法(出入国管理及び難民認定法)の改定によって、日本で暮らす外国人への支援に対する関心が急速に高まっていると感じています。以前は採択されづらかった補助金が、最近では審査を通過するなど良い効果もあります。しかし別に新たな社会課題が話題になれば、そちらに注目や資金が流れていくと考えられますので、「今の注目は一過性」と認識し、手放しで喜べる現状だとは言えません。

―この記事を読んでくださっている方へ。
1990年の入管法改定で、日系人の日本での就労に制限がなくなりました。中国残留孤児が日本に定住しやすくすることを目的とした法律でしたが、当時のバブル景気も背景に、日系ブラジル人が出稼ぎ労働者として多く日本へ来るきっかけとなりました。そのため2000年ごろまでは外国人の問題について世間の関心は高かったのですが、2000年代に入ると、オーバーステイの外国人が日本の治安悪化の要因であるかのような風潮が高まり、徐々に日本で暮らす外国人に対する関心が失われてしまいました。しかし現実は、日本に住む外国人の数は増え、日本語教室や相談窓口のニーズは高くなる一方なのに、支援するための寄付や助成が減っていきました。
2018年入管法改定により、日本で働く外国人に再び関心が集まっています。このような社会の風潮や意識に左右されることなく、この先も永く続けて活動できるよう多くの方にご理解ご支援いただけたら嬉しいです。
いつの時代も様々な問題に巻き込まれてしまった外国人の方がたくさん相談に来られます。いつか私たちのような外国人支援団体が必要のない社会になることが一番の望みです。

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【5-E】全ての外国人が安心して暮らせる多文化共生社会実現のために
https://hyogo.communityfund.jp/kyokan/project/7-e/

 

取材:(公財)ひょうごコミュニティ財団インターン 柳瀬、西村
記事の内容は2019年9月時点のものです。

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