• ひょうごの外国にルーツを持つこどもたち

    兵庫県には従来から外国籍の住民が多く暮らしているが、近年、グローバル化の進展もあり、新たに仕事等のために日本へ移り住んできた人が増えている。その中で、外国にルーツをもつ子どもたちには、言葉の壁、生活習慣や文化の違い、生活や進路などに関する情報の少なさなどがハードルになることも多く、その結果、進学率の低さ、不安定な就労などの問題につながっており、その程度も日本人の平均と比べて著しいといわれている。
    彼・彼女らが一般の日本人の子どもと同じように生活し進学し、そして仕事に就くために、まだまだ社会的な制度や支援が整っていないのが現状である。その中でいくつものNPOが公的な制度の外で、国籍や民族の違いを超えた共生の地域づくりを目指して支援活動を続けている。

    追加iイラスト-03

    (※上記の802人は、公立学校に在籍する児童生徒数になります)

    ◎地域データ
    ①兵庫県内の在留外国人数
    96,541人 (H25年度)
    ②兵庫県内の日本語指導が必要な外国人児童生徒数
    802人 (H26.5.1) ※公立学校に在籍する児童生徒数
    ③外国にルーツを持つ子どもの高校進学率
    約50%といわれている

    ①兵庫県内の在留外国人数
    国籍別では、韓国・朝鮮の48,157人(49.9%)と、中国23,709人(24.6%)が大半をしめている。だが、その2か国以外では、ベトナム5,204人やブラジル2,502人など、アジア、南米を中心に幅広い出身となっており、多国籍化が進んでいる。

    ②兵庫県内の日本語指導が必要な外国人児童生徒数
    言語別には、中国語が251人、ベトナム語が230人と全体の過半数をしめている。兵庫県内の学校に在籍する外国人児童生徒数がH25年度3578人であり、兵庫県の調査によると、このうち22.4%、つまり約4.5人に1人は、日本語で日常会話が十分にできない、または学年相当の学習に必要な言語能力が不足していると判断されている。

    ③高校進学率
    日本語能力の乏しい子どもにとって、学校での教科学習は高いハードルとなる。家庭が経済的に困難な状況であれば、より進学への道は険しいものとなる。外国籍の子どもについては、日本国籍の場合と違い就学させる義務はないため、家庭の事情で通学しなくなるケースもあり、進学率の上昇へ向けた抜本的対策は難しいのが現状である。また、就労面においても、日本語によるコミュニケーション能力が不十分であることなどから、就職率は高くない。それだけでなく就職後の離職率も高いといわれており、彼らのキャリア支援が急がれている。

    ◎参考
    兵庫県独自調査資料 H26.5.1 兵庫県教育委員会人権教育課
    県内在留外国人数 H24.12 兵庫県産業労働部国際局国際交流課
    http://web.pref.hyogo.lg.jp/ie12/documents/hp.pdf

    ◎この問題に取り組む県内のNPO等
    神戸定住外国人支援センター(KFC)http://www.social-b.net/kfc/
    多文化共生センターひょうご http://www.tabunka.jp/hyogo/
    こくさいひろば芦屋
    多言語センターFACIL  http://www.tcc117.org/facil/
    ひょうごラテンコミュニティ http://www.hlc-jp.com/
    関西ブラジル人コミュニティ(CBK) http://kobe-cbk.server-shared.com/

Comments are closed.